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【看護学生さん必見】呼吸不全とNPPVの観察点

呼吸器疾患を扱う病棟に実習となれば

必ず出てくると言っていい

呼吸不全と非侵襲的人工呼吸のNPPV

について簡単にまとめてみたので

実習の事前学習やレポートに役立ててください

 

I型・II型呼吸不全の分類

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簡単に言うと

  • Ⅰ型呼吸不全

酸素の取り込みだけ障害されている

 

  • II型呼吸不全

酸素の取り込みと二酸化炭素の排出が障害されている

 

と言うことになります。

 

  • 低酸素血症

Pao2<60mmHg SPO2<90%

動脈血中の酸素が不足した状態。呼吸不全の病態は主に、低酸素血症と高二酸化炭素血症である。Ⅰ型は高二酸化炭素血症を伴わない低酸素血症。Ⅱ型は高二酸化炭素血症を伴う低酸素血症を言える。低酸素血症状が重症化すると、多くの場合は高二酸化炭素血症を伴う。

急性増悪期:頻呼吸、頻脈やチアノーゼ、不整脈、不穏、興奮や見当識障害の症状が見られる。進行するとチェーン・ストークス呼吸、昏睡、徐脈、ショック状態などが見られる。

慢性安定期:臨床症状に乏しく、労作時の呼吸困難、チアノーゼ、ばち状指などが見られる。

【治療】

不足している酸素を補うこと、酸素消費量を抑え症状の改善を目指す。退院後も酸素が必要な場合は、在宅酸素療法HOTを導入する。特に有効とされるのが、呼吸性アシドーシスを伴う慢性呼吸不全の急性増悪時にはNPPV装着が推奨される。

【看護】

増悪期は呼吸困難感に対する不安の軽減、安楽な呼吸のために体位の調整や、不安の増強時には寄り添い不安の軽減などの援助がある。低酸素血症による不可逆的な脳障害は致命的であり、頻呼吸の悪化や胸痛、頭痛の訴えは症状の重症化が予想され、頻呼吸から呼吸性のアシドーシスを起こした場合は、頭痛や眠気が混迷・昏睡が急速に進み、ショック状態になり最悪死に至る。医師への報告を行い、確実な酸素投与がされているかモニターなどで継続した観察を要する。

【観察】

バイタルサイン 冷感や呼吸困難感、チアノーゼの有無や程度 呼吸音や呼吸回数 意識レベル 血液検査データ 心電図 水分出納

体の組織にできた二酸化炭素を十分に体外に放出できない状態。高二酸化炭素血症状が進行すると、頭痛や血圧上昇、羽ばたき振戦、意識レベルの低下などが見られるが、慢性的に進行した場合は症状に乏しいことがある。

【治療】

低酸素血症状では酸素吸入で対応できるが、二酸化炭素が増加してきた場合は酸素療法のみでは不十分である。二酸化炭素が貯留してしまいCO2ナルコーシルの危険性がある。NPPVによりIPPVではなく換気補助療法を行うことで在宅生活に対応することができるようになった。

【看護】

CO2の蓄積を伴うII型呼吸不全が増悪、COPD間質性肺炎などの基礎疾患を持ち、呼吸器感染症やうっ血性心不全気胸などの誘因が考えられるため患者の病態背景を把握しておく必要がある。特に慢性Ⅱ型呼吸不全では慢性的な高二酸化炭素血症をきたしており、元々の肺コンプライアンスの低下で排出能力の低下がある。不用意に高濃度の酸素投与をすると、CO2ナルコーシスに陥ってしまう。指示された低流量の酸素投与量を確認しNPPVによる補助換気療法の必要性を理解し、患者に説明しマスク装着を習慣づけていく必要がある。

一般的な目標値はPO2:50~60Torr  SpO2:90% PCO2:75Torr以下とし、意識状態を頻回に確認する。

【観察】

頭痛、振戦、痙攣、傾眠の有無や程度。特に発汗は著名で、体温に関係なく見られる。頭痛や振戦は早期症状として重要。特に頭痛は低酸素血症や高二酸化炭素血症による脳血流増加に基づく脳圧亢進によるものと考えられている。ついで振戦などの症状が出現する。

  • NPPVについて

1)どんな目的で装着しているか

II型呼吸不全に肺性心を起こしている。食事やリハビリなどの労作時は経鼻カニューラによる酸素投与が行われているが、CO2の排出能力が低下しており、NPPVによる補助換気により低酸素血症や高二酸化炭素血症やCo2ナルコーシスの予防が行われている。肺性心により、増悪期には浮腫が出現しており、利尿剤が投与され体重測定による効果を評価している。電解質異常の高カリウム血症状があり心電図モニター装着され、アーガメイトゼリーの投与がされている。

  • 肺性心

COPD間質性肺炎、肺結核後遺症による慢性呼吸不全の患者は、病原自体による肺血管の破壊に加え低酸素血症によって肺血管が収縮するため、肺血管抵抗が増大している。呼吸不全の代償作用である多血症も、心臓への負担を大きくする。これに対し右心肥大で代償しようとし最終的には右心不全になることを言う。これを予防するために、治療には適切な酸素療法や利尿剤を用いる。

2)合併症

NPPV施行中は、マスクによる皮膚トラブルやリーク、誤嚥などの合併症を起こしやすい。IPPVと同様に陽圧換気に伴う低血圧などの出現にも注意する。

合併症

原因

対処

マスク不快

マスクの種類やサイズが合わない

固定が悪い

素材の匂い

マスクの種類やサイズを見直す

装着を繰り返し慣れるのを待つ

ストラップの調整や洗浄や消毒を行う

皮膚損傷

マスクのサイズや種類が合わない

圧迫固定が強すぎる

不衛生な皮膚

素材による皮膚かぶれ

種類やサイズの見直し、2種類のマスクを使い分けるなど

回路の重みがかからない様に支持する

除圧(ETなどのクッション性皮膚保護剤)と摩擦軽減(オプサイト)の使用

皮膚の清拭、マスクの洗浄

リーク

フィッテングが悪い

皮膚のくぼみやたるみ

ストラップの粘着性の確認

義歯の場合は装着

上気道

 の乾燥

リークによる送気量の増加

IPAP圧が高い

加湿、加温の調整、口腔ケアや含嗽、保湿ジェルの使用

リークの調整と減少、換気量減少、IPAP圧の低下

腹部膨満感

 嘔吐

食堂〜胃への流入(呑気)リーク時は送気量が増加し、導入時はタイミングが合わず呑気しやすい

リークの調整と減少

排気(胃管挿入、げっぷを促す)

腹部マッサージ、温罨法、便通調節

気胸

コンプライアンスの低下

高い陽圧

呼吸困難、胸痛などの自覚症状、呼吸音の確認により出現の観察

胸腔ドレナージ、ドレナージ下に装着可能

不穏

恐怖感

症状や治療(機器)に対する不安

低酸素血症状やアシドーシスといった全身状態の影響

患者のそばで訴えを聴き、慣れや症状の改善を待つ

苦痛の確認と訴えへの速やかな対応

血液ガスデータなどの検査データを確認

 

 

3)IPPVとNPPVの違い

  • IPPV(侵襲的人工呼吸)が適切な場合は、誤嚥がある、呼吸が微弱で生命の危機が迫っている場合。喀痰や分泌物の自己喀出が困難で気道確保が必要な場合。
  • NPPV(非侵襲的人工呼吸)

メリット

デメリット

①     導入が容易で簡便

②     会話が可能

③     食事摂取が可能

④     気管挿管に伴う危険性が回避可能

⑤     状況に応じていつでも中断可能

⑥     体位変換が容易(沈下性肺炎のリスクを減少)

①     患者の協力が不可欠

②     気道と食道の分離ができない

③     気管内吸引が困難

④     マスクの不適合、マスクによる障害が生じる

⑤     高い気道内圧を確保することが困難

⑥     医療スタッフの習熟と慣れが必要

 

  • 看護について

観察視点は、浮腫の出現の有無や体重の変化 呼吸状態や意識レベルの観察 低流量の酸素投与管理と呼吸困難の有無や程度 検査データ

NPPV装着の理解度やNPPV装着による合併症や不快感の有無を確認。陽圧換気や利尿剤使用による血圧の変動、それに伴う眩暈やふらつき有無。

看護では、肺性心や呼吸不全悪化の予防のためにNPPV装着時間が決められている。装着時間が守れる様に声掛けを行い、退院後も継続できる様な関わりを持つ必要がある。マスク装着によるトラブルを防ぐために、皮膚の清潔保持や皮膚損傷が生じないように援助を行う。腹部不快感の有無を確認し、便通の調整を本人と相談しながら確認する。気胸の危険性を考え、呼吸困難や胸痛出現の有無や呼吸音の観察を行う。

 

実習は辛いですよね

レポートや事前学習など

ピンポイントに焦点を当てた

わかりやすい説明はインターネットでよく探しました

こんなので参考になればと思います

 

肺癌についてもまとめてますので

実習中に当たることがあったら

活用してみてください

在学中はペーパーペーシェントでも

演習を行うほど

一般的な疾患だと思いますので

症状や看護は

押さえておいて悪いことはないと思います

 

maekawa908.hatenablog.com

 辛い実習

頑張って乗り越えましょう

応援しております